強化部だより3
2005.10.14

マナーアップ秋季総体

1 トラックシーズンを振り返って

 今年の全日本中学では、夏原育美さん(彦根西)が800mで6位、村田悠伎君(安曇川)が110mHで7位に入賞してくれました。平成16年度の全日本中学では、滋賀県からひとりの入賞者も出せなかったので、専門部・強化部としてはホッとした岐阜全日中でした。また、夏原育美さんの準決勝で出した2分13秒73は滋賀県歴代2位にあたる好記録です。そして、村田悠伎君は9月の記録会で県中学記録を樹立してくれました。この記録や活躍の陰にあった西堀和彦先生と斉藤隆史先生のご苦労には、本当に敬意を表するところです。また、専門部としましても、たくさんの先生方が関わっていただきました。ハードル主任の宮川拓也先生(八幡)は、当日岐阜まで駆けつけて下さり動きをチェックしていただき、四至本千広先生(守山南)には才上裕紀奈さん(明富、1999年富山全中1500m4位)以来の女子中長距離の入賞ということで、レース展開などにおいてもアドバイスいただきました。この二人の入賞は、専門部としても待ちに待った入賞でした。

 さて、二人に共通したことはないか考えてみました。陸上への取り組み方においては二人とも群を抜いています。滋賀県のアスリートが今後目標にしてほしい選手です。それに加えて、二人にはライバルがいたことがあげられます。夏原さんには同じ学校の一つ上に竹中理沙さん(現立命館宇治高校)という選手の存在がありました。夏原さんにとって、竹中さんと一緒に走り競い合った2年間は貴重な時間だったと思います。竹中さんが果たせなかった夢を夏原さんは竹中さんの分まで追いかけたのではないでしょうか。また、村田君には、加藤綾君(中主)の存在がありました。村田君と加藤君のレースは毎回、見応えのあるものでした。現に加藤君も近畿総体の準決勝で1464の県中学タイ記録を樹立しました。その記録を村田君が9月に破ったことから考えても二人のレベルの高さとライバルとしての戦いは本当にすばらしかったです。切磋琢磨とは二人のためにあるように思いました。このように優れた選手は、一人で強くなるのでなく、みんなで強くなる、ライバルと争いながら強くなるのです。滋賀県の歴史をひもといても、最近では2003年の3000mの金子太郎君(明富)と中森智也君(水口)もその一例でしょう。また、1993年から女子中長距離では上村知安希さん(水口)西村みゆきさん(水口)阪田直子さん(能登川)澤田佳恵さん(瀬田)までは連続して全日本中学で入賞者を出しています。更には、今年度全日本中学3000mで11年ぶりに大会記録を破られた山崎成人君(水口)には3年間川村誠君(双葉)というライバルの存在がありました。このようにライバルとともに強くなっていくことが大きく伸びる要素であることは間違いないと思われます。

2 1,2年生に期待する部分

 ライバルということから考えれば、数種目で今年の村田君・加藤君に匹敵する好条件が揃っています。強化指定記録突破者を中心に見ると、男子短距離、1年1500m、男子走幅跳、女子100mHはすでに数人の突破者がいます。男子の短距離では、武田凌也君(高穂)森口聖也君(甲西)大塚佳祐君(安曇川)が100m、200mで数回強化指定記録を破っています。また、勝負においてはやや武田君が二人をリードしています。しかしながら、JOのリレーの選考会では大塚君が森口君に勝ちましたが、先日の記録会では逆に森口君が大塚君のベスト記録を上回りました。1年1500mにおいては、ベスト記録では藤澤怜欧君(日枝)が上回っていますが、近畿の決勝で一回だけ細溝直也君(大東)が藤澤君に勝ち3位に入賞しました。男子の走幅跳でも、川田祥史君(甲賀)が1年生時に秋季総体で優勝をしましたが、少しずつ岡野圭君(大東)が迫りながら、JOを決める記録会では岡野君がはじめて川田君に勝ちJOの切符を手にしました。そして、二人同時に強化指定記録を突破しました。男子の走幅跳では、あと数人今年度中に強化指定記録に届きそうな選手もいます。女子100mHでは、中村梨穂さん(守山北)で決まりの感がある中、竹中愛美さん(双葉)田中愛里さん(安曇川)が先日の記録会で続々と好記録を出し中村さんに迫っています。この種目では池田夏実さん(瀬田)室谷かなえさん(双葉)など1年生にも楽しみな選手がいます。1年から2年にかけての女子は大きく伸びることを考えれば、目が離せない種目です。これらの選手が今後、村田君・加藤君の争いに負けないぐらい陸上競技への取り組み方と記録で切磋琢磨してくれることを期待します。

 話は変わりますが、今年度の『スパイクの跡』には、ハードル、砲丸投、混成競技の指導法について強化コーチに原稿を書いていただきました。その効果は十分あったように思われます。来年度の『スパイクの跡』には、今年度に引き続き指導法を寄稿いただく予定です。短距離では西尾圭介先生(日野)、中長距離では中野一郎先生(大東)、跳躍では吉田享史先生(中主)、チーム強化として堀江広明先生(柏原)に寄稿いただく予定です。専門部の果たす役割は大きいですし今後とも専門部あげての強化体制を目指していきたいものです。

3 強化方針に関わること

 昨年度の冬季・春季強化合宿とも、強化部の色を出して取り組みました。当時の2年生の強化はもちろんですが、他にも次のような方針を加え取り組みました。1年生種目では6位までに入賞した選手を集めました。(共通種目は3位まで)その中で、積極的に短距離以外の適性を見いだせるように指導をしました。また、棒高跳は普及のねらいもあり、棒高跳をしている者で合宿参加希望者は、すべて集めました。現にその成果は、今年の2年生短距離の伸びや棒高跳でも見られます。これは、来年の地元近畿総体の強化もねらったことですが、今年度もしっかりしたねらいを持って大胆に強化事業を進める所存です。その点につきましては、なにとぞご理解をいただきご協力をお願いしたいと思います。来年の地元近畿大会では総合3位、全日本中学では今年度以上の成果を目標にします。

 さて今年の近畿大会では、滋賀県の短距離選手のスタートの悪さが目につきました。県内の試合では目立ちません。少々スタートを失敗しても、自分の走りができれば、ある程度記録をまとめることができますが、大きな大会では、スタートの失敗がそのあとの走りにも影響しています。何とか、この課題に取り組むべき、冬の合宿では馬場豊先生(東大津高校、現滋賀陸協強化委員長)をお招きして、短距離クリニックを予定しています。その中では、短距離のスタートとリレー指導を考えています。

 最後になりましたが、秋季総体では、マナーの向上・徹底につとめたいと思います。この大会は『マナーアップ秋季総体』のテーマを掲げます。このことをすべての学校で取り組まれ、競技会を成功裡におさめたいと思います。そのことこそが、来年度に大きく伸びる要因ということを各校で確認され、一人ひとりの生徒に指導していただきたいと思います。

 挨拶・返事・受け答えの徹底をよろしくお願いします。他校の先生に出会っても、誰もが元気に挨拶ができる雰囲気、コールや呼ばれたときにしっかり返事や受け答えができる生徒の育成につとめたいと思います。二つめは、応援マナーです。「スタート地点での応援はやめる」「スタンド最前列に立って応援しない」このことは、各校で徹底できれば大きな問題にはならないはずです。よろしくお願いします。三つ目に、ゴミの持ち帰り、トイレ・更衣室の使い方、開門までは競技場に入らないなど公共施設の利用についてです。これらのことを通して、生徒一人ひとりに感謝の気持ちを教えていきたいものです。言い方や指導の仕方は、各校の現状に合わせ、一人ひとりの先生方の言葉かけの違いはあっても、つま先の方向はみんなが同じ方向を向くようにしたいものです。そうすることで、滋賀県中体連は必ずもっと強くなるだろうし、強い選手が輩出できると信じます。

(強化部長 河地)